(77) テナー バトル

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NO.77 2012.1.27



<テナー バトル>





右chジョニー・グリフィン、左chエディ・ロックジョー・ディビス。
やはり体格の差か、ロックジョーの方が音が大きくワイルドだ。
だが、ここは小柄なグリフィンのテクニックを褒めるべきだろう。
この体格差を見て欲しい。
大人と子供、ヘビー級とバンタム級くらいの差がある。
それをものともせず、互角に渡り合うグリフィンである。
一方のロックジョーはシンプルなブローテナーだ。
厚い胸板、肺活量で押し切ってしまう、音で黙らせてしまうロックジョーなのだ。

本作のようなゴリゴリのバトル物を最近あまり見かけなくなった。
エリック・アレキサンダーとグラント・スチュワートくらいだろう。
重複感を避けてのことか。
もちろんワンホーンもいいけれど、たまにはバトルもやってもらいたい。
一枚全部はさすがに胃にもたれるから、一曲、二曲やればいいと思う。
たとえばハリー・アレンのリーダー作に、ジョシュア・レッドマンを呼んで二曲くらいバトルさせてみたい。
その時は別々のブースに入ったりせず、マルチトラックもやめて、スタジオ・ライブのようにやってもらいたい。
日本企画で生ぬるい事ばかりさせられるハリーが、どのように変貌するだろうか。

グリフィンとロックジョーのバトルは熱い。
熱い事は間違いないが、ある種理詰めなところもある。
これはグリフィンのカラーによるものだ。
ロックジョーを相手に単純なブロー合戦に持ち込んでしまっては、少々グリフィン分が悪い。
この二人と現代のミュージシャンの差は勢いだと思う。
60年代までなら自己表現をストレートに出せば、ある意味それでOKだった。
しかし今それをやれば、昔の誰かの焼き直しになりがちだ。
その危険を察知し、現代のミュージシャンたちは一捻りも二捻りもして音を出さなければならなくなる。
考えながら、迷いながら絞り出すようにして生み出されるジャズから、最早勢いは姿を消している。
あまり考えすぎず、ジャズなんだからもっとノビノビやればいい。
昔の誰かに似たっていいじゃないか。もうずい分昔の話なんだから。











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