(6) ケリー ダンサーズ 小さな巨人

グリフィン
NO.6 2011.11.18




〈ケリー ダンサーズ 小さな巨人〉





ジョニー・グリフィンの作品中これが一番好きだ。
ハッシャバイ、そしてロンドンデリー・エア(ダニーボーイ)もいい。

グリフィンの小柄なあの身体のどこから、あのようにぶっとい音が出てくるのか不思議だった。
蛙の子は蛙とはよく言ったもので、全ての生物はほぼDNAに既定された存在だ。
どんな顔に育ち、身体はどれくらいの大きさになるのか、どんな声を出すのか、指先はどれくらい器用に動かせるのか、それらは恐らく最初の細胞分裂が始まった時既に決まっている筈だ。
身体の大きさに従って扱える楽器も限定されてくる。
だからテナーサックスを吹くというDNAがあるのではないかと思えるほどである。

グリフィンと、たとえばロックジョー・デイビスが並んだ写真など見ても、とてもじゃないがこの二人が同じ楽器を操るとは思えない。
テナーサックスは相当重い。
小柄なグリフィンがなぜアルトではなくテナーにしたのか。
それは何事も大きさだけが全てではない、ということなのだろう。
そうでなくては面白くない。
ミシェル・ペトルチアーニのような天才ピアニストだっていたのである。

スポーツもそうだ。
大きな選手ばかりが活躍するようではつまらないではないか。
昔、ケン・ローズウォールという小柄なテニス選手がいた。
大男のロッド・レーバーを負かして涼しい顔をしていたものだ。
バルセロナのメッシ然り。
牛若丸は弁慶を手玉に取った。
小が大を退けるのはいつの世にも痛快だ。

グリフィンは2008年の7月、フランスの自宅で亡くなった。
享年80歳。長生きした。
70年代以降、グリフィンはどこで何をしていたのだろうか。












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