(5) フィックル ソーナンス 移ろいゆくのはジャズだけではない

マクリーン 2
NO.5 2011.11.17




<フィックル ソーナンス 移ろいゆくのはジャズだけではない>






私にとってジャッキー・マクリーンがジャズを象徴していたあの頃のこと、ライブに行きトイレで本人とばったり会ったのである。
マクリーンは私をじろりと一瞥し、手など洗って立ち去った。
私は固まり、それを見送ったのだった。

その日予定されていたドラマーのビリー・ヒギンズが体調不良で無名の若者と代わり、前の男が不満を鳴らした。
だが、私はその時ビリー・ヒギンズを知らなかったので、この男は何を文句など言っているのか、ジャッキー・マクリーンさえ出れば問題ないではないか、などと思ったものである。
ドラムなど誰でも良かったのだ。
その頃ドラムという楽器そのものが嫌いだったというのもある。

触ったことがある人にはわかると思うがこの楽器、びっくりするくらい大きな音が出る。
これに比べたらピアノの音など小さい小さい。
そんなピアノであっても騒音問題で、時として殺人事件にまで発展することがある。
ドラムを一般家庭で叩こうものなら、
どんな大事件が起きるかわかったものではないのだ。

そのドラムをたとえば小さなライブ会場で、ここを先途と打擲する場面を想像出来るだろうか。
それはもう、たまったものではない。
それにあのドラムソロというやつが嫌いだった。
ライブでドラムソロが始まると舌打ちしたものだし、予定調和的拍手を送るお人好しが信じられなかった。
だが、その後私は改心し、熱心なドラム好きとなった。
ジャッキー・マクリーンも勿論ジャズを象徴する存在であるが、ビリー・ヒギンズとて負けてはいない。

本作ではソニー・クラークがピアノを弾いている。
なんという豪華メンバーであることか。
だが、当時はこれが普通だったのである。
皆ブルーノートの常連だった。
昔はよかった、と言いたくなるのも無理はない。
そして今ではみんな亡くなってしまった。











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