番外編 ㊶

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<番外編 ㊶>





ウエスタン・エレクトリックの真空管300B。
元々軍用及びプロ用として開発され民生用には売られていなかったものを、マニアが目を付けオーディオ界で最も有名な真空管に育てた300B。
手元にあるこの球はオールドではないが、80年代のオリジナル球だ。
十数年前これをペア十数万で購入した。
どうしてそんなにするのかって?
生産終了した人気真空管のデッドストックだからだ。
現在復刻版やバッタもんも多く出回るけれど、模造品以外オリジナル球が増える事はないので本物は年月と共に値段が高騰する。
現在では倍くらいになっているようだ。
オーディオで儲かった事など一度もないが、本件は唯一の例外である。
けれども利食い売りしなければただの含み益に過ぎない。
私に売却の意思はないので、ずっと儲かった気になってニヤニヤしているだけだ。
ただ後の世代の者が間違って廃棄する事がないよう書き残しておく。
手元にこの球がもう一セットある。
クローゼットのケースの中だ。
他にも色々入っているが、恐らく価値のあるものはあるまい。

真空管の音について多くの方が間違ったイメージをお持ちだ。
「暖かみのある懐かしい音」がすると、なんかそんな風に一般に信じられているようだがそんな事はない。
この球の音は一言で言って峻烈である。
ウッドベースが凛としている。
トランペットがスピード感のある研ぎ澄まされた刃のようだ。
そしてボーカルの実在感ときたら、リアルを通り越し不気味なほどである。
もしも真空管アンプを聴いてポワーンとした懐古調の音がするとしたら、それは球も回路もナマクラだからに過ぎない。

このアンプを故有ってアルテックA7のドライブに固定してきた。
このシステムなかなか凝った作りで、コンデンサーなどのパーツにもウエスタンエレクトリック製が奢られている。
ターンテーブルはガラードの401だ。
トーンアームの素性が分からない。
もしかしたら自作品かもしれない。
レビンソンのヘッドアンプも付いていた。
私はカートリッジにSPU(Aシェル)のゴールドを搭載した。
いい音がする。
しかし遂に自分の物だという気持ちになれなかった。

もう少し時が過ぎ上手く引退する日が来たら、このアンプを試しにメインシステムに組み込んでみようと思っている。
これでウーファーを鳴らしたらきっと凄い事になるなと、あくまで空想だがそんな気がしている。











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Re: 球は生々音です。

鈴木さん、おはようございます。

そうです、そうです。
生々しい音がしないといけないです。
モヤッとした音を「温かい柔らかい」とどうも誤解されています。
それはおっしゃる通り整備が上手く出来ていないせいもあると思われます。
そこがキモというか難しいところですが、
でもオーディオは楽しいですね。

球は生々音です。

こんばんは。
球は温かい音とか柔らかい音など言われていますが、全くの間違いですね。CDより、楽器の音は生のように再現されます。トランペットは空気を引き裂くほどの響き、シンバルの音はまず木が金属に当たる音がしてからシャーンとなります。
全国でも有名なビンテージ物専門店で、タンノイアーデン、LUXアンプで所謂ラックストーンを聴きまして、がっかりしたことがあります。ヴァイオリンの生の音は、あんな甘い音ではありません。
整備が正しくされていないと思いました。
高級店で300万円くらいのデジタル機器(CD)でJAZZを聴きました。やはり生のトランペットの鋭さはありませんでした。
1950年あたりのレコードが一番空気感、ライブ感があります。
ただし機器の整備には、かなりの金額と知識が要ります。
コンデンサーなど国産では、綺麗な音はでますが音楽性が足りませんね。
真空管は究極は三極管でしょうね。でも今は高くて買えません。
KT88はイングランド製に拘りました。JAZZもクラシックもイケると自負してます。
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