番外編 ㊷

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<番外編 ㊷>





我が家の音を支配するもの、もしかしたらこれではないか。
エール音響のツィーター1750DEである。
こいつには私の経済的な能力を完全に無視した値札が付けられていた。
超高音域を担当するスピーカーのユニットである。
これ一つではいかなる音楽も再生出来ない。
何となれば現状10kHz以下の音は殆ど出ていないのだ。
ホーンドライバーのJBL2441は上をカットしておらず18kHz付近まで出ている筈だから、私の聴覚能力からいって必ずしも必要のないものだとも言える。

耳を近付けるとシャカシャカと微かに鳴っている。
これだけのために立派なロレックスが買えるのではないかという大枚を叩いたのだ。
私は販売店の言いなりだった。
その頃我が家のオーディオは隘路のぬかるみでスタックし、自分でもどうしたら良いか分からなくなっていた。
完全に行き詰っていたのだ。
もう何でもいいから、私は誰かに助けてもらいたかった。
だから到底考えられないような金額のものにも手を出す結果となったのだろう。
あの販売店がどれくらい親身になって我が家のオーディオを考えてくれたのか、それはもう今となっては何とも言い様がない。
正直なところ、他にいくらでも方法があったのではないかと思えなくもない。
だがもういい。
この音が真の意味で私にとって最善ではなくとも、今や相当クオリティが高いのは間違いのないところだ。
それくらい私にも分かる。
何事も自分の希望が完全に叶えられる事はないと悟るべきだ。
人生ってそういうものじゃないか。

妥協する時が来た。
そして妥協できるところまで音も来た。
そんな我が家の音を大局的に決定付けているのが1750DEだと私は思っている。
ウソではない。
こいつを外してみると分かるのだ。
音は途端に元気を無くしてしまう。
私の懐具合を考慮してくれたとは思えないが、あの販売店は1750DEがもたらす効果を熟知していた。
それだけは確かだと思う。
ただ費用対効果を一切問題としなかっただけだ。
さて、いよいよ北四局を残すのみとなった。










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還暦おめでとうございます。

これから益々、自分の人生探究できるのでないでしょうか?
それなのに休養とは?
還暦のお祝いにジープとは休養宣言に反する若いジャンルですね。
羨ましい!

私は昨年迎えました。
病気もして、無理はできんなあと自覚しました。
まだ仕事は辞めれませんが、これから10年が第二の青春と思っています。
これからもブログ期待しています。
レコードの人気もまた若人に再燃しています。
よろしくお願いします。

還暦おめてとうございます

私もさる3月に還暦を迎えました。
貴兄のこれからのご活躍、期待しております。

還暦の頁にコメント欄がなかったので、失礼ながらこちらの記事にコメントさせていただきました。
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