(273) 信号機雑譚

walkin.jpg
No.273 2015.3.3



<信号機雑譚>





ひな祭りも最早私にはあまり関係がないから、本日は前回に続いて信号機シリーズ第二弾としたい。
ジャズと信号機。
そう来るなら避けて通れないのが本作「WALKIN'」である。
JJジョンソン(tb)ラッキー・トンプソン(ts)ホレス・シルバー(p)らによる異色の顔合わせとなった。
1954年4月録音の本テイクがマイルスにとってこの曲の初演となる。
少し混乱するけれど「COOKIN'」「RELAXIN'」等のマラソンセッションは56年10月だ。
パーソネルもそちらはコルトレーン(ts)ガーランド(p)チェンバース(b)フィリージョー(ds)のレギュラー・クインテットで、本作とはまったく関係ない。

それから暫く経って60年代に入り、「WALKIN'」はマイルスバンドのライブにおける定番曲となっていた。
「In Europe」「Four&More」「In Berlin」、これらライブ盤に収められた「WALKIN'」と本作を聴き比べると、テンポがかなり異なる。
ライブでは一般にアップテンポの方がノリが良いのだ。
60年代快速調「WALKIN'」でドラムを叩いたのはトニー・ウィリアムスだった。
こちらの方が良いと言う人もいるだろう。
だが早ければ良いというものではないと私は思う。
さらにこの曲でトニー・ウィリアムスがドラム・ソロを取るのがパターンとなり、それがまたやたらと長いのがイヤだ。

本作のドラムはケニー・クラークなのだが、控え目で大人な感じに私は好感を持つ。
第一、スタジオバージョンである本作の方が圧倒的に音がいいのだ。
マイルスのライブ盤には片面30分近くあるものが少なくない。
カッティングのレベルを下げれば可能とはいえ、それは音質を犠牲にしたものとならざるを得ない。
私は「マイ・ファニー・バレンタイン」のオリジナル盤を所有する。
同様の理由により音質最低である。
聴いたことがないので保証できないが、これらについてはCDの方に分がある可能性を否定できない。

ジャズと信号機といえばもう一つ、矢口史靖監督の「スウィングガールズ」を思い出す。
歩行者用信号機のメロディ「故郷の空」に「これってジャズ?」と反応するシーンがある。
なんとあれから既に10年だという。
まいっちまうねえ。
「故郷の空」は某テレビ局朝のドラマにも使われているらしい。
この曲が実はイギリスのトラディショナルだからだ。
我家にはテレビがない(事になっている)ため、確認はできない(事になっている)。

小学校2年生のある朝、学校の手前にある国道に信号機がついていた。
弾丸道路と呼ばれた希少な舗装道路に設置されたそれは、当時周辺にある唯一の信号機だったせいで歌まで作られた。
「渡ろ渡ろ、何見て渡ろ、信号見て渡ろ・・・赤青黄色、青になったら渡ろ・・・大丈夫と思っても、止まって、もういいかい?」
半世紀以上前のこんなつまらない事を覚えているのに、昨日入れた非常に大事な仕事をすぐ忘れる。
なんとかならないものだろうか。











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