(29) ランプローラーと月の砂漠

リー
NO.29 2011.12.11




〈ランプローラーと月の砂漠〉





ジャズの花形は何と言ってもトランペッターである。
ロックバンドのリードギターのようなものだ。
キーボードやベースが主役になるバンドはまずない。
ジャズではトランペット。
他の楽器がどんなに頑張っても、トランペッターが一音吹いたら全部持っていかれる。
拍手も歓声も女も何もかも。

リー・モーガンはステージで恋人に射殺された。
あなたを他の女に渡さない、あなたは私だけのもの、と。
何という模範的なジャズメンなのだ。
これでなくてはジャズじゃない。
ジャズメンは女に撃たれるか(刺されるも可)薬か、最低酒で死ななくてはダメだ。
それも若くして。

本作には佐々木すぐる作曲「月の砂漠」が入っている。
その経緯はまったく知らない。
唐突と言えばその通り。
だが、ここでもジャズと哀愁の相性の良さが証明されている。

月の砂漠で思い出すのが和田誠監督作品「真夜中まで」だ。
真夜中まで、つまりラウンド・ミッドナイト。
ジャズをテーマにしている。
ジャズをテーマに日本で映画を撮ると、どうもまあまあ止りだ。
理由は様々あろうが、どうにもベタベタしている。
まるで安い日本酒の喉越しのようだ。
日本映画、日本人俳優・女優の限界なんだろうか。
もっとクールにドライに作ってもらいたい。

この映画でどうしても気になったのが「月の砂漠」だった。
主人公真田広之演じるトランペッターに客の大竹しのぶがリクエストする。
しかし、真田は「ジャズだからね、童謡はやらない」と受けない。
本作を知る者は不審に思う筈だ。
リー・モーガンが「月の砂漠」を演っていることは、少しジャズを知っている者なら知らない筈がない。
「真夜中まで」の関係者にも知っている人間が居たと思う。
でも、それを知っていてわざとそういう展開にしたようなヒネリは感じられないのである。
もしかしたら和田誠さんが知らなかったのか。
周りの人は知らない筈がないと思って言わなかった、言い出せなかったのか?

さらに、ヒロインのミシェル・リーがゴツ過ぎてダメだ。
助けてあげたい、支えたいと思わせるような儚な気な女優を、他に思いつかなかったのだろうか。
真田広之がどちらかと言えば小柄で華奢に見えるのだから、あれはミスキャストだと思う。
ヒロインがニューハーフに見えて仕方ない。











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