(264) 音楽は平和を救えるか

cooking the blues
No.264 2015.2.3



<音楽は平和を救えるか>




ヨルダン空軍のF-16戦闘機がラッカ上空で撃墜され、パイロットのカサースベ中尉がアラブゲリラに拘束された頃、フロリダの病院で本作のリーダーであるクラリネット奏者バディ・デ・フランコが亡くなった。
昨年12月24日のことである。
二人にとって有難くないクリスマスイブとなった。
バディ・デ・フランコは91歳だったという。
ジャズメンにしては珍しく長寿だった。

今回の事件で一番衝撃的なのが、F-16(ファイティング・ファルコン)の撃墜である。
多少古くなったがまだまだ現役の機体で、西側陣営の空軍において主力戦闘機として制式採用されているものだ。
我が国のF-2支援戦闘機(戦闘攻撃機)は様々の事情から、このF-16を母体として開発された。
それがゲリラに撃墜されたのだ。
おそらくは遁走した新イラク軍から鹵獲したスティンガーミサイルなどの歩兵携帯型対空ミサイルか、同種のミサイルを装備した戦闘車両などによって実行されたものと思われる。
落ちているものを拾ったというだけなら驚くことではない。
驚くべきは彼らがそれを使いこなし、正規軍の主力戦闘機を撃墜した点にある。
カラシニコフを使いこなす自信すら私にはない。

彼らの行いの善悪がどうであれ、相応の実力を伴った勢力であり、ただのゲリラや過激派などではすでにない。
その勢いはピークを過ぎたと言われるが、無力化が可能かどうか不明だ。
仮に将来無力化できたとしても、それにはまだまだ時間がかかりそうだ。
空爆だけですべてを制圧するのは難しく、最後はどうしても地上戦が必要になる。
しかし先進国の軍は地上部隊の投入を嫌がる。
歩兵の命が高いからだ。

そして将来完全にこれを制圧出来たとしても、人を変え場所を変え時を変えて同種の勢力が必ず台頭するだろう。
差別や貧困を根絶することが困難であり、何世代にも渡って膠着状態にある格差を解消できず、世界中に不満が貯まる一方となっているのだから。

ゲリラの手が長くそして強靭となった今、この先どのような事が起きるか想像がつかなくなっている。
現在考え得るあらゆる準備をするしかない。
例えば、あらゆるインフラがテロに対して非常に脆弱なこの国で、先ずは原発への対空ミサイルの配備が急がれる。
新千歳空港を離陸した777が泊原発に突入してきた時は、ためらう事なく撃墜するしかない。
他に選択肢はない。
ためらえば北海道は終わりだ。

一か所につき大隊規模の地上戦力の展開も必要になる。
敵は必ずしもゲリラや過激派に限らず、彼らの挑戦がいつどこから来るのか誰にも分からない。
これらのコストに耐えられないなら、もはや現有原発の存在自体が許されない。
これは再稼働するかどうかに無関係だ。
たとえ再稼働せずとも、そこに無防備の原発があるだけで、この国にとって非常に大きな脅威となるだろう。
内部に致命的な被害を及ぼす量の核物質を抱えた原発は、その存在自体がとんでもなく危険な巨大火薬庫であるからだ。


長くなった。
音楽に戻ろう。
もちろん音楽は平和を救えない。
平和が音楽を救う。
平和を救うのは軍事力だけだ。
そして救える平和も自国の限定的な平和のみだ。

私は本作のオリジナル盤を所有する。
しかし残念なことに、女性の額にボールペンのいたずら書きがある。
この盤は廃盤屋のオヤジがアメリカで買い付けてきた品物だ。
だからほぼ間違いなくヤンキーの仕業である。
バカモノ!なんてことしやがる。
まあ、そのせいで安く買えたのではあったが、しかしヤンキー許さんぞ。

本作にはタル・ファーロウ(g)とソニー・クラーク(p)が参加する。
どちらかといえば寡作で実力の割に評価されなかったタルの太く乾いたギターが、弛緩したムードになりがちなクラリネットによるリーダー作を引き締めたのに対し、ソニー・クラークは気の毒にもピアノよりも主にオルガンを担当させられた。
これが良くわからない。

ラブミー・ドゥーにおけるリンゴ・スターはドラムを取り上げられ、タンバリンを叩かされた。
効果とそのエピソード性を鑑みれば、これは今となっては許せなくもない。
しかしEMIのプロデューサー、ジョージ・マーチンは後年リンゴに平謝りだったそうだ。
ジョージ・マーチンにしてみれば、彼らがあんな事になるなんてその時点では思いもしなかったという事だろう。
そりゃーそうだ。
人は大化けする時があるから、気を付けなければならない。

ノーマン・グランツがソニクラにオルガンを、それもタラタラとコードを弾かせた理由はなんだ。
思いつきか?
ピアノを弾いたパートが光るだけに、余計腹が立つ。
ソニクラファンにとって歴史的痛恨事であった。











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