(250) It's All Right With Me

work time
No.250 2014.12.27



<It's All Right With Me>




イッツ・オールライト・ウィズ・ミー。
コール・ポーターが書いたこの曲が好きだ。
もしもこの曲がA面一曲目にきていたら、そして本作のピアニストもトミフラだったら、さらにジャケットがあと少し何とかなっていたなら、本作はもっともっと有名盤になった筈だ。
実際のオープニングナンバー「ショーほど素敵な商売はない」を否定するものではないが、翌年(1956年)のロリンズ決定版「サキコロ」のセント・トーマスとでは訴求力が違い過ぎる。
双方ともワンホーンものである。
二つの録音には半年のタイムラグしかなく、本作では麻薬依存治療のため籠っていたロリンズが復帰し、「WORK TIME さあ仕事だ」とやる気満々でもあった。
大名盤となるかその他に埋没するか、その差なんて僅かなことなのである。
後から思えば。

あの時ああしていればと思うことが、人生誰しもあるに違いない。
一方であれ以外にどうすれば良かったんだとも思い、また、同じ事を二度とやりたくないと思うことだってある。
娘が正月休みに入り、帰省してくる。
一般に父親というものは娘に弱い。
私の場合、そんな弱いなどという生半可なものでなく、まさに最大の弱点と言って良いと思う。
彼女が8歳になったばかりの時、母親が病気になり亡くなった。
その日、私は子供達に非情な事実を伝えなければならなかった。
今までの人生であんなに辛いことはなかった。
それを聞いた彼女は無論泣いた。
そして暫くすると、いつも通りバレエのお稽古に行ったのである。
きっとどうしたらいいか分からなくなったのだろう。
私はそんな彼女が不憫でならず、この世に神も仏もいないと確信した。
3歳だった息子は、その時のことを覚えていないようだ。
だが娘は生涯忘れることはないだろう。
突然母のない子になってからの20年以上の年月、人生で最もあってはならない事が起きてからというもの、彼女は何を思って生きてきたのだろうか。
私は一生その事に触れる事はできない。

一方で妻はたいしたものだと思う。
「かけがえのないものなくしたあとは、どんなに似たものもかわれはしない」と歌のモンクにも言う。
妻はけして「かわろう」としなかった。
それは尊敬に値する判断であったのだ、後から思えば。
彼女がいなければ、私は子供たちを育てることなど到底出来はしなかった。
私たち親子は彼女に救われたと言っていいだろう。
どれほど感謝しても足りないが、それらの事もまた、私は死ぬまで触れることは出来ない。
しかし、いつかそう遠くない将来もうこれが最期だなと思った時、私は意識があるうちに感謝の気持ちを伝えたいと思っている。
だから絶対私よりも、どうか元気で長生きしてくださいよ。

酔った酔った。
なんかしんみりだ今日は。









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