(245) あなたと夜と音楽と

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No.245 2014.12.17



<あなたと夜と音楽と>




アグネスカ・スクシペク、ポーランドのジャズ歌手である。
少しハスキーで、とても魅力的な声の持ち主である彼女だが、ほとんど無名と言っていいだろう。
2001年の本作がデビュー盤であり、その後第二作が出たという話を聞いていない。
翌2002年ガッツプロダクションが輸入し、「女性ボーカル万歳」シリーズと銘打って発売した。

ガッツプロはピアノトリオにおいても万歳した、何でも万歳な会社だ。
私はガッツプロが出すCDを結構買ったが、ホームページを見ると2007年以降の情報が途絶えており、もしかしたら会社が万歳した可能性があると失礼ながら思っていた。
ところが現在も頑張っておられるようだ。
この会社、笠井隆さんという方が一人で運営されてきた。
それはきっと今も変わらないだろう。

本作のように良質でありながら日の当たらない作品、つまりマイナーであり恐らくは日本でも数が出そうもないCDを紹介し続ける姿勢に頭が下がるばかりだ。
好きでなければ出来ないし、好きなだけではけして出来まい。
熱意というか意地というか、まさにガッツが必要だ。
熱意と意地とガッツで儲からない商品を背負い、多くの山を越えて来たのだ。
私も商売をしているから分かる。
どんな商売も普通、手間もヒマもそれなりにかかるものだ。
それで結果儲からないというのは本当に疲れる。
だから当然、ガッツプロがやっているような商売に、手を出す人もあまりいない。
なんとなく好きではないけれど、インディーズとか言うのであったか。
そういえばこの分野で第一人者の澤野商会ですら、大阪は通天閣の足下新世界の片隅で下駄屋との兼業、というのが実情であった。

私が本作を好きなのは「あなたと夜と音楽と」が入っているからだ。
原題「You And The Night And The Music」そのまんまである。
30年代のミュージカルで使われた曲だというが、ネタ元については全然知らない。
スタンダードソングにはそういうものが少なくない。
つまりネタ元となった映画やミュージカルの方は完全に忘れ去られ、曲だけがスタンダードとして生き残ったというものだ。
この曲の楽想と、そしてタイトルそのものに何故か惹かれる。










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