(225) 美音アルトサックス

hodges.jpg
No.225 2014.11.4



<美音アルトサックス>




デューク・エリントン楽団の花形アルト奏者、ジョニー・ホッジスの1958年作品である。
小刻みのビブラートと、そのあまりに美しい音色(ねいろ)により、ホッジスも即座に特定可能なジャズメンだ。
スタイルとしては年代的にモダン以前という事になろうが、ホッジスに限ってスタイル云々もあまり意味がない。
無論何らかの分類は出来るだろう。
ところがホッジスを独立したフォルダに収めても、後から続く者がない。
スタイルを真似る事が万一可能だとしても、音色を模倣するのが困難だからだ。

ロイ・エルドリッジ(tp)、ヴィック・ディッケンソン(tb)ベン・ウェブスター(ts)らが参加し、本作は四管によるオーケストラ作品である。
顔ぶれを見れば明らかなように、ハード・バップとは一線を画す内容となっている。
ビリー・ストレイホーン(p)率いるリズム隊、それにベン・ウエブスターとリーダーのホッジスがエリントン楽団の関係者であり、勢いエリントン的なアンサンブルが展開されるテイクもある。
B面最後の「リーリング・アンド・ロッキング」に至っては、エリントンサウンド以外の何ものでもなかろう。
だがそればかりではなく、ホッジス自身が多くの楽曲を提供し、ソロを十分に聴かせるテイクもあり飽きさせない。

ホッジスは終始、歌うようにアルトを奏でる。
実に気持ちがいい。
こんなアルト、こんなジャズもあるのだ。
美しさで負けても、音のかっこよさジャズっぽさならジャッキー・マクリーンだと個人的には思う。
しかしこの居心地の良い、心穏やかならしむる安らぎ感をマクリーンに感じることはない。
この場合の「ジャズっぽさ」とは一体なにか。
多少乱暴だが、モダン(一部フリー系含む)専門ジャズ喫茶御用達の辛気臭さ、との言い換えが可能だ。
本作のメンバーは録音当時既に大方50代以上であり、スウィング系のやや古典的なジャズメンと言って良かった。
「若いの、これが音楽というものさ」
音溝から彼らのそんな矜持が伝わってくる。

音楽には三種類あると私は思っている。
人を覚醒させるもの、鎮静させるもの、そして不快にさせるものだ。
アルトで言えば最初がマクリーンであり、次がホッジスのような音楽。
濃いブラックコーヒーと香り高いハーブティー。
ご異論有りましょう(おっしゃる事ごもっともです)が、ボルドーとブルゴーニュ。
何はともあれ、どんなものでも三番目に関わるのは御免蒙りたい。



本作を聴き終えたところで私、これからちょっと旅に出てまいります。
皆さんお元気でお過ごしくださいますように。








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Re: No title

carmencさん、帰ってまいりました。

訪ねた街にジャズの匂いがほんの少しあるだけで、
来て良かったと思います。

No title

どちらかにご旅行でしょうか。
良い旅を…

ジョニー・ホッジズの泣きサックスの音、行きつけのお店でかなり盛り上がってた時期がありましたよ。
初めてエリントン楽団の動画を見たときはホッジズが一番見たいと思ってた頃でした。
そう言えば随分聴いておりません。

Y-tubeで探してみようかな…


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