(223) ジプシー・スウィング

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No.223 2014.10.31



<ジプシー・スウィング>




ジャンゴ・ラインハルトの継承者、マヌーシュ・ギターの名手ロマーヌ。
私は本作をアコギアルバムのベスト3に入れたい。
残り2枚は当ブログNo.180に登場のスーパー・ギタートリオ、それにクラプトンのアンプラグドだ。
ロマーヌの音楽はジプシー・スウィングと呼ばれるもので、ステファン・グラッペリ(Vn)なども同類である。

ジプシーか。
日本人誰しも聞いたことこそあるものの、なじみの薄い世界ではないだろうか。
私などが思い浮かべるものは、サーカス団、占いの女、その程度であり接点がどこにもない。
無知、妄想、誤解、偏見、そんな衣にまぶされているのか、実態なんかまったく見えてこない。

彼らはかつて、地続きのユーラシア大陸を定着することなくさすらい、方々で暮らしてきた。
そうするには何かきっと理由があったのだろうが、私は知らない。
彼らは流浪の先々で、そこで定住する人々との間に軋轢を生じてきた。
それはそうだろう。
町内の公園で、ある日突然見知らぬ外人一家がテント生活を始めたとしたら、あなたは平気でいられるか。
現在彼らのほとんどが定住しているが、定住先の西欧でかなりの差別を受けているようだ。
それ故か、「ジプシー」は差別用語だからと「ロマ」に言い換えるようになった。
呼び方を変えたところで、真相に何の変化も生じないのは自明のことだ。
極東の小島からは見えない世界、おめでたい日本人には理解不能な世界がある。

ジプシー・スウィング最大の特徴は哀愁、そしてスピード感だ。
2ビートのサイドギターが、急き立てるように音楽を疾走させる。
疾走が乾いた風を巻き起こす。
だから哀愁も乾いている。
悲しみの果てに枯れた涙とでも言うか。
そこが演歌と大きく異なるのだ。
色々あっても明日が来る。
明日が来る以上生きていくしかない。
相変わらず実態を100%近く理解していないが、私はロマーヌの音楽、ジプシー・スウィングから、そんなしたたかな強靭さを感じる。
ジャケットの顔を見てください。
こんな男の隣で、ぼやぼやしてちゃヤバそうだ。

イヤイヤ、余計な事など言わないで黙って聴くしかないのだ私は。
ロマーヌは曲作りも素晴らしい。
特にタイトル曲、「フレンチ・ギター」を聴いてほしい。
名曲です。










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Re: No title

ヒデ2362 さん、おはようございます。

私のたわ言など、大概はネットでチャッチャと調べた付け焼刃にすぎません。
私、最近では実店舗でCDを買うことがほとんどなくなりました。

ロマーヌのCDをアマゾン等で見てみましたが、
どうも廃盤になっているものが多く、
中古で4千円以上とかのバカらしい事になっているようでした。
見つからないようでしたら、No.223でお話しした盤で良ければCDRをお送りします。
いつでもおっしゃって下さい。
送付先をお知り合いのお店などに指定して頂ければ、
個人情報の心配も大丈夫だと思います。

No title

こんばんは。
JAZZ評論家のように詳しいレコード紹介はいつも凄いと思います。
昔の油井正一とかを思い出します。

ギターの名盤を購入したいのですが、ROMANEはJAZZコーナーに置いてあるのでしょうか?
よろしくお願いします。
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