(217) OUT OF THE STORM

out of the storm
No.217 2014.10.20



<OUT OF THE STORM>




エド・シグペンといえば、オスカー・ピーターソン・トリオのドラマーだ。
彼が6年在籍したこのトリオ、完全にピーターソンの専制君主制だった。
ピーターソンにはドラマーなど、プロの水準に達していて必要以上に自己主張しなければ、誰でも良かったのではないか。
一方シグペンにとってこのトリオでの演奏は、お仕事以外の何物でもなかっただろう。
そんなトリオを辞めた翌1966年に吹き込まれたのが本作である。
「OUT OF THE STORM」とはまた、意味深なタイトルをつけたものだ。

ジャケットと中身が随分乖離した印象を私は持っている。
陽気なメキシコ民謡「シエリト・リンド」で始まり、ラストも「バーベキューでいこう」で呑気に終わる。
その間に色々やってはいるが、いま一つピリッとしない。
せっかくのリーダー作だからとシグペン、メロディック・タムをスタジオに持ち込んだ。
ペダルで音程を調整するというものだが、特に効果がある風でもない。
後年のシンセドラム同様、変わった音を出しても間抜けに聴こえるだけなのだ。
クラーク・テリー(tp)がマウスピースのみで出す音にも同じ事が言える。
一番の聴きどころと言えば、ケニー・バレルのギターかもしれない。

このセッションにはハービー・ハンコック(p)が参加し、前年ブルーノートから出た「Maiden Voyage 」も実は録音されたようだ。
しかし、残念な事にこのテイクはボツになった。
それも当然かもしれない。
ハンコックが参加し「処女航海」を演るのでは、誰がリーダーかわからなくなってしまう。
CD化でボーナストラックに入るのを期待したが、それもなかった。

本作は長年のキャリアに対するご褒美のようなものだったと思う。
ヴァンゲルダースタジオで録音され、音質非常に良好だ。
この翌年よりエラ・フィッツジェラルドのバックを勤め、シグペンは更に嵐の外へと去った。














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