番外編 ㉙ MUSIC LEGEND

abbey road





<番外編 ㉙ MUSIC LEGEND>






知人のK子からビートルズ関連のDVDを頂いた。
アメリカのテレビ局が制作したデビュー50周年記念のコンサートだった。
今年1月に収録されたものを、最近になってWOWOWが放送したという。
その知人というのがまた筋金入りのマニアで、四人の生年月日を諳んじる程の人物である。
それが何かの役に立った事があるかどうか、それはまだ聞いていないのだが。

その方ほどではないにしろ、ビートルズについて何度か書いている通り、私も昔は相当熱心に聴いていたのだ。
何もビートルズに限らない。
音楽を聴きだしたきっかけはジャズ以外のジャンルにあり、ある日いきなりマイルスやエバンスに手を出したわけではない。
それは団塊以後の世代なら普通であろう。
むしろ中坊の時突然、私はジャズから入ったと言う人がいるなら挙手願いたい。
え?いるの?
ウソだ、あなたはウソをついている。

私は正直に言うが、40年前までビートルズの熱心なファンだった。
だから全213曲を全て知っている。
今や年一回も聴かないけれど、ブートレグ以外の音源を殆ど持ってもいる。
しかし、そういう人はたくさんいる筈だ。
この放送をご覧になった方も少なくないと思う。

昔ファンだった皆さんは、このコンサートをご覧になってどうでしたか。
私が知っている出演者といえば、ジョー・ウォルシュとスティービー・ワンダーくらいのもので、若手のミュージシャンなんか誰一人見たこともなかった。
彼らは皆ジョンやジョージよりずっとギターが上手い。
今風に、というかジャズっぽくイエスタデイを歌う女性もいた。
彼らは皆ビートルズナンバーを、評価の定まった名曲として扱い演奏している。
既にそのメソッドすら確立している感がある。
つまりスタンダード、定番ということだ。

だが当然ながら、ビートルズがそれらの曲を初演した時にはまだ何の定評も、そしてもちろん何の手本もなかったわけであり、彼らはただ自分の信じるところに従ってアレンジし演奏し歌ったのである。
しかしながら、後出しジャンケンである筈の後世のミュージシャンが、ビートルズのオリジナルを越えた例を私は知らない。
それはジャズ化されたナンバーも例外ではなかった。
時代が先に進めば、テクニックも進歩する。
それは特に音楽に限った話ではなく、人類の歴史そのものの有りようだった。
だが、全てをテクニックやテクノロジーの進歩で更新出来るとは限らないのだ。

数ある(といっても十数枚しかない)アルバムから一枚を選ぶとしたら、悩みに悩んで私は掲載した「アビーロード」にするだろう。
知られている通り、本作は事実上のラストアルバムだ。
アビーロードの収録直前、ビートルズは既に殆ど解散状態となっていた。
わかった、最後にもう一度ビートルズらしい作品を録ろう。
ポールが言いだしたとされている。
それは前作のゲットバックセッション(世にいう「レット・イット・ビー」)が散々な出来だったからである。
このままでは終われない。
彼らはおそらくそうした暗黙の了解を共有してスタジオに集まり、この名作を残した。

発売当時、世界中で「ポール・マッカートニー死亡説」が話題になった。
横断歩道を渡る四人。
曰く、ポールだけが裸足で、足並みが逆だ。
先頭のジョンが神父、リンゴが葬儀屋、最後のジョージが墓掘り人夫。
左車線に駐車したワーゲンのナンバープレート「28IF」。
これはもしポールが生きていたら28歳という謎かけ。
・・・なんて事が言われた。
実際には先頭と最後尾の二人が先に亡くなることとなる。

そういえば、上記番組の会場にある女が来ていた。
こいつだけは映すな、という奇怪な女。
ビートルズはいずれ解散しただろうが、この女がいなければあと2枚や3枚はレコードが残った可能性がある。
だがそれも、「愛」を歌い続けたビートルズ伝説の一つに数えようではないか。
今はもう全てが、遠い過去に過ぎ去った出来事だ。

アビーロードB面のラスト「THE END」でポールは歌う。
僕らはずっと愛について歌ってきたね。
バンドはこれで解散するけれど、最後にこれだけあなたに伝えたい。
あなたが愛した分、愛はきっと返ってくるよ。
伝説と太陽が地平線の彼方へ沈んだ。









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