(213) 小林 桂

keikobayashi.jpg
No.213 2014.10.12



<小林 桂>




私が知らないだけかもしれないが、近頃あまり話題にならないのではないか。
ホームページを拝見したところ、今年新譜CDは出ておらず、ライブも月一回がやっとのようだ。
数えてみたら手元にCDが5枚ある。
しかし私自身は、2002年の本作を最後に買っていない。
あまりにもワンパターン過ぎたと思う。
力があればワンパターンで押し通す事も可能だ。
「力」とはフランク・シナトラほどの実力だ。
だがけしてそうではない。
それほどの力はなかった。
だから飽きられてしまったのではないか。

昔は一定規模の街に必ずナイトクラブの類があり、ある程度名の売れた歌手なら最低限そうした稼ぎ場があった。
地周りのやくざが仕切っていた。
親分の顔をたてながら、全国を巡業していれば、それでなんとか喰えたのだ。
今はそれも激減している。
副業でもない限り失礼ながら、これでは暮らし向きも楽ではあるまい。

今アマチュアのボーカルが流行りだそうだ。
ライブハウスでコンサートのようなことをやり、客は殆ど全員家族友人などの関係者で埋められ、店側も大喜びなんだとか。
ピアノやサックスでは尻込みしてしまう人も、歌ならいける場合がある。
それでなければ、街にあれほど多くのカラオケ店がある訳がないのだ。
カラオケで腕を磨いたら次は、本格的な発表の場を持ちたくなる。
あるいは自費制作のCDを作りたくなる。
私はならないが、そういう人もいるだろう、きっと。
そういう人にレッスンさせる、ボーカルスクールを作ったらどうだろう。
結構商売になるのではないか。
いや、実際既に彼はやっているかもしれない。

小林 桂は25歳までに10枚以上のCDを出す売れっ子だった。
あれから10年が経ち、彼も今年35か。
そろそろ若さで売るのもシンドい歳だ。
近影のこけた頬が少し気になった。
勢いで突っ走ってきたものの、少し知恵が付き(失礼)周りを冷静に観察するようになれば、将来が特別バラ色に見える筈もない。
本当の人生って、実はそこからスタートするんだけどね。

12年前に本作を聴いた時、私は嬉しくなった。
こんな日本人が出る日が来たのだなと。
録音も素晴らしかったから、本作をオーディオチェックに随分活用したものだ。
小林 桂はその後、有りがちな歌謡曲路線に目を向けなかった。
やればきっと売れた。
きっと多くの誘惑があった筈だ。
でもジャズシンガーのスタンスを崩すことを潔しとしなかった。
偉いと思う。
だがこれから彼が現状を変え、活路を開くには、思い切って暫くスタンダードから離れてはどうだろう。
理想は自作曲だが、こればかりは才能がなくてはどうしようもない。
やってみたら凄くいい曲が書けた、それなら素晴らしいけれども、そうそう旨い話もなかろう。
それが難しいときは、例えば自分の世代の他ジャンル曲をジャズ化するとか。
とにかくどうやったらCDが売れるかこっそり考えてみるといい。
何かあると思う。

私は応援します。
どうか買いたくなるCDを出してください。









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