(208) ブロッサム ディアリー

blossam dearle
No.208 2014.10.7



<ブロッサム ディアリー>




ボーカルに求めるものはなんだろう。
人それぞれに色々あると思う。
当然インストものとは少し違ってもくる。
中には容姿が一番大事、という人だっているかもしれない。
異論なし、それはそれで好きにして頂いて結構である。

個人的にボーカルで最重要項目となるのは音程の確かさ。
そして歌が上手いことだ。
前にも言ったが、この当然である筈の項目に、他の事を重視した結果製作者側で目を瞑る時がある。
商業録音である以上、まず売れることが正義であるとの姿勢を簡単に否定出来るものではない。
内容はクズだが売れるタマ、音楽的に素晴らしいけれどビジュアルは商売にならないタマ、音楽的にもビジュアル的にも素晴らしいタマ、これらをほどよく、つまり製作側の商売が成り立つベストミックスで繰り出しているなら、私はこれを認めざるを得ない。
最低でも製作者が継続していける程度には売れる必要があるからだ。
出来るだけ自分だけは、クズを避けて通りたいとは思うけれど。
もちろん音楽的にもビジュアル的にも素晴らしいものだけ商品化するのが理想であるのは言うまでもないことだ。
そうした素材がゴロゴロいるなら世話はない。
まあしかし、なかなかそういう訳にもね。

私にとって次に大事なのは、これも前に書いたが声だ。
その声が好きか。
ナンボ音程が正確で歌が上手くても、声が嫌いならどうしようもない。
お引きとり頂くよりなくなる。
本作のブロッサム・ディアリーはどうか。
彼女、カマトトとかぶりっ子とか甚だしきはロリータとまで言われる。
中には好きだがスピーカーから大音量で聴くのは憚られるという御仁までおられる。
ではどのようにして聴くのか。
夜更けにこっそりヘッドホンで聴くそうだ。
何もそこまですることはあるまいに。

私はブロッサム・ディアリーの歌声が好きだ。
そしてスピーカーから大音量で流れても、何ら問題ない。
スコットランド人の父とノルウェイ人の母の間に生まれた彼女、特別美人でもないしブスでもない。
いたって普通、どこにでもいる普通の白人女性である。
歌も上手いがピアノも弾く。
強いて言えば少し声量が足りないか。
でも、逆にそれが彼女の魅力になっているとも言える。
ばかみたいに声をはりあげて熱唱しない。
あくまでも優しく、囁くように彼女は歌う。

彼女はパリ時代に、ボビー・ジャスパー(fl,ts)と結婚していた事もある。
30代半ばでその結婚生活は破綻したようだ。
その後の男運については知らない。
だが、どうも女友達と共同生活していたらしい、との話もある。
パリでノーマン・グランツの目にとまり、1956年バーブレーベルからデビューしたのが本作である。
ハーブ・エリス(g)、レイ・ブラウン(b)、フィリー・ジョー(ds)らがバックアップしているが、ピアノは彼女自身である。

2009年に84歳で亡くなった。
残した作品はあまり多くない。
尚、ブロッサム(花)は本名である。
晩年まで可愛らしい女性であったという。








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