(204) THE PIANO HAS BEEN DRINKING(NOT ME)

tom waits
No.204 2014.10.2



<THE PIANO HAS BEEN DRINKING(NOT ME)>




実は初めて聴いたトム・ウェイツは本作ではなかった。
第三作「スモール・チェンジ」収録の「思いでのニューオリンズ」である。
それは新曲を紹介するFM番組だった。
この曲が出たのが1976年だから、およそ40年前ということになるだろう。
声とメロディに圧倒され、翌日にはレコード店へと走っていた。
だが、このレコードを買うかどうかだいぶ迷った。
ジャケットがなんか安っぽくて好きじゃなかったからだ。
結局これを買ったのは「思いでのニューオリンズ」をもう一度聴きたかったからだ。
当時はFM放送をかなり積極的にエアチェック(カセットテープに録音)していたが、不覚にもこの曲が流れた時私はデッキの録音ボタンを押していなかったのだ。
アパートに帰り全曲聴いての感想は、どうもわざとらしいというものだった。
レコードを通して聴かれるトムの歌声はダミ声以外の何物でもない。
その頃当然ながらインターネットなどというものはなく、得られる情報も限られたものとなる。
後日FM誌などで知ったトムは「酔いどれ詩人」などということになっており、酒とタバコで声が潰れたといった話だった。
後日の来日ステージでは、ウィスキーのグラス片手にややフラつく足取りで現れたという。
「スモール・チェンジ」には「ピアノが酔っちまった」などという曲も入っている。
酔ったのはピアノであってオレじゃない、といったものだ。
ふーん、そうなの。
なんかシャラ臭いけど、まあいいや。

「思いでのニューオリンズ」が気に入った私は次に、セカンドアルバム「土曜の夜」に手を出した。
このレコードもジャケットが安っぽい。
でも内容的にはタイトル曲はじめジャズっぽい仕上がりで、なかなかに良くできていた。
トムの声はまだ潰れていない。
こちらは1974年の録音だ。
わずか2年で別人のように声が潰れるほど飲んだのか?

そして私は遂に本作に到達する。
1973年のデビュー作である。
徐々にさかのぼって聴いたトム・ウェイツ。
私は結局本作が一番気に入り、何故かその後の彼に興味を失った。
現在もご健在のようだ。
日本人なら年金受給年齢になられる頃だ。
2、3年であんなに声が潰れるほど酒を飲み、それが続いたらどうなるだろう。
ドアーズのジム・モリソンの例を見ればわかる。
禁煙には成功したという事だが、トムはその後断酒でもしたのだろうか。
尚、本作収録の「OL'55」をイーグルスがカバーしてヒットした。








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