(193) ある別の分離独立 ①

great jazz artists1
NO.193 2014.9.19



<ある別の分離独立 ①>




英国の分裂は回避されたようだ。
我が国にあってはたかだか憲法改正の是非を問う国民投票すらままならないのに、一地方の分離独立という過激案件を住民投票で決めるあの国は一体どうなっておるのだ。
そもそも民主主義の成熟度が違うのか。

スコットランドという地域は、私の暮らすこの島と同程度の面積、同程度の人口規模に過ぎない。
我々が独立国としてやっていけるなどと、私は到底思えない。
スコットランド沖の北海油田が大きな財源と考える向きもあろうが、そろそろ枯渇するのではないかとも言われる。
それが無くなればスコッチウィスキー以外特に産業もないのに、彼らは独立してどうするつもりだったのだろう。
実際のところイングランド・スコットランド双方にとって特段メリットのある話ではなく、行き掛り上声だけは大きかった独立派が瞬間的に有利にみえたものの、最後はサイレント・マジョリティが現実的な判断を冷静に下したといったところだ。
今回は何と16歳以上の者に投票権があり、特に若い連中が賢明な投票行動をしたと伝えられる。
いきり立っていたのはおっさんばかりなり、ということらしい、どうも。

ただ、これで大団円を迎えたかといえば、そうもいくまい。
北アイルランドのようなことにはならなくとも、今後に火種が残されたのは間違いない。
事実、この投票が決まってからの2年という期間、独立反対派は賛成派の暴力に怯えてものが言えないといった話が聞こえていた。
反対派が襲われたり、家の窓ガラスを割られるといった騒ぎが後を絶たなかったという。
そうした動きがこの結果を受け、一気に沈静化するとは普通考えられない。
逆はあるかもしれないが。

スコットランドと言えば個人的にはもう一つある。
この地にある「LINN」というメーカーのレコードプレーヤーと、フォノイコライザー(以下フォノイコ)という機材を、長年私は愛用してきた。
LPレコードというのは簡単に言うと、低音を小さく高音を大きく記録してある。
これによりノイズ低減と長時間録音が可能となったが、再生する時には変形させた周波数特性を元に戻す必要がある。
その役割を担うのがフォノイコで、昔のアンプには最初から内蔵されていたものだ。
しかしLPレコードの再生需要が激減したため、現在のアンプにこの機能はもうない。
それで単体のフォノイコが必要になるという訳だ。

このLINNのプレーヤーとフォノイコで、私は本作のようなレコードをたくさん聴いてきた。
これは「リバーサイド」というレーベルが、自分の所の音源を使って制作した、セルフ・コンピレーションといった趣の作品である。
多分CDにはなっていないと思う。
何やら悩ましげな表情の女性が胸から上のみ写っているが、実はこれ三部作で、二枚目、三枚目と順次下へいく。
さあ、いったいどんな事になるのでしょうか。
まあ結構有名だから、知っている人は知っていると思うが。

胸像部分の本作は、作曲家リチャード・ロジャースの作品集である。
CD化されていなくとも全て、元々リバーサイドが持っていた音源だ。
A面のビル・エバンス「春の如く」は、1961年にスコット・ラファロを交通事故で失い落ち込んでいたエバンスがベースにチャック・イスラエルを迎え、翌年吹き込んだ「ムーン・ビームス」の収録曲である。
B面のセロニアス・モンク「You Are Too Beautiful」は、1956年の「The Unique」収録曲。
といった具合であるが、すべてが既存のアルバムに入っている訳でもないようだ。

リチャード・ロジャースといえば「マイ・ファニー・バレンタイン」である。
本作には「Johnny Lytle(vib)」のトラックが採用されている。
ところがこれのありかが不明だ。
1961年録音の「Happy Ground」に収録の同曲は、オルガンとドラムを従えたトリオである。
しかし本作のそれは、ジョニー・グリフィン(ts)ボビー・ティモンズ(p)を含むクインテット編成となっている。
同じ面子で演ったセッションといえば、62年に傍系の「JAZZLAND」に吹き込んだ「Nice And Easy」のみだと思う。
本作収録の「マイ・ファニー・バレンタイン」は、この時のボツテイクかもしれない。
全然違うかもしれないが。
もしもご存じの方がおられるなら、ご一報お願い申し上げます。

本日はいつにも増して長くなったな。
これを端から端まで読む人がはたして居るのかと、少し心配になった。
次回は胴体部分が登場します。
バラバラ殺人事件ではありません。
ご安心を。








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