(178) Outward Bound

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NO.178 2014.8.25



<Outward Bound >




ファイブ・スポットの前年、1960年に録音された本作のトランペッターはブッカー・リトルではない。
フレディ・ハバードである。
もしどうしてもエリック・ドルフィーにトランペッターが必要なら、私はハバードの方が合っているように思う。
リトルは夭折したトランペッターのサイドストーリーばかりが先行してしまい、彼の実像からフォーカスがずれてしまった。
ドルフィーもハバードも皆死んでいる今となっては、「夭折」はもうどうでもいい話ではないだろうか。
ドルフィーと演った時のリトルは、ドルフィーに付き合うというか、ついていくのに必死でどうも痛々しい。

ドルフィーのリーダー作品としては、最初期になるであろう本作が私は一番好きだ。
それは全体に分かりやすいというのもあるが、何といってもドルフィーのオリジナル「GW」の存在によるものだ。
ロイ・ヘインズのリム・ショットで始まるこの曲の、捻れたようなメロディは相当強烈に記憶に焼き付く。
最初聴いたのが何十年前だったかもう忘れたが、何か異様なモノを聴いた気がしたという記憶のみ残っている。
要するに第一印象は特別良くなかったのだ。
それを何度か聴くうちに、思いが変わった。
クセになるまずさと言うか、非常に希なことだ。
この曲の一番好きな箇所は、ジョージ・タッカーのベースソロが入ってくる部分だ。
なにか非常にジャズを感じさせられる。
説明し辛いが理屈ではなく、異性のちょっとしたしぐさや表情に感じる色気と似たようなものだろう。
説明は難しい。

個人的最重要盤に絶対入る本作であるが、このジャケットだけは他に方法がなかったものかと思う。
ドルフィーのジャケット全体にあまりいいのはないのだが、いくらなんでもこれは売れないだろう。
「GW」はドルフィーがかつて所属したバンド「ジェラルド・ウィルソン・オーケストラ」に因んだもので、「ゴールデン・ウィーク」の略ではない。









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