(174) ジャケ買いではないけれど

dexter 1
NO.174 2014.8.14



<ジャケ買いではないけれど>



ジャズを聴き始めたてだいぶたち、すっかり大人になる頃には、昔買えなかったレコードを改めて手に入れたくなってくるものです。
すでにCD時代となり、街のレコード屋にLPレコードは置いていない。
でも世の中には中古レコード屋とか廃盤店とかいったものがあり、しばらくするとインターネットでも中古レコードが買える時代となっていた。
そうしたルートから、昔のウラミを晴らすというか「大人買い」というか、片っ端から買った。
そんな私を見てある知人が「あんたは箱買いだな」と言った。
それには「買うだけ買っても中身はたいして聴いちゃいまい」といった揶揄が含まれているように思えた。
実際ある程度それは事実だった。
だが、それから更に時が流れ、その頃「箱買い」した盤を今改めて、また少しずつ私は聴いている。
買う気力と体力があり、勢いで店を回れる時に買っておいて良かったんじゃないか。
昨今の如く手にとっても棚に戻すような不躾なマネを、その頃はほとんどしなかったのだ。

そうやって多くの名盤と言われるレコードを探し歩いた。
それでもなかなか探し当てられなかった盤も当然あり、本作などもそうした一枚だった。
デクスター・ゴードンの1955年ベツレヘム作品で、聴いたことすらなかったが、とにかくこのジャケットに惹かれていたのだ。
そのうちCDの廉価盤が出て、とりあえず私はそれを買った。
1000円だった。
崇め奉るように拝聴した。
探しに探した盤であるから、悪く聴こえる筈もなく、万一瑕疵があったところで聴かなかったことにしたに違いない。
そんな本作、デクスター・ゴードン「ダディ・プレイズ・ザ・ホーン」であるが、その後LPの入手には至っていない。
正確にはもう探していない、と言うべきか。

デクスターは晩年(1986年)「ラウンドミッドナイト」という結構有名となった映画に主演した。
物語はピアニストのバド・パウエルのパリでの実話を、デクスターのテナー・サックスに置き換えたというものだ。
彼の演技は相当称賛されたが、実際には演技というより「地」だろうと思われる。
それにしても大したものであることに変わりはない。
この映画には現役のジャズメンが多数出演していた。
ロン・カーター、ハービー・ハンコック、フレディ・ハバード、ビリー・ヒギンズといった面々だが、こちらはほぼ、劇中で演奏しているだけだ。
それにしても既に鬼籍に入った方々も多く、彼らの映像が見られるという点でも貴重な作品だ。
映画としても良く出来ている。
日本の「真夜中まで」よりはお勧め出来る。
まだ観た事がないという方がおいでになれば、お盆休みに万一お暇でもあれば、どうぞDVD(レンタルしてると思うが保証はしかねる)でご覧ください。

では私はこれから、ほんのちょっとした旅に出掛けてきますので、また。



dexter 2









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