(149) 知らずにいたかった 

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NO.149 2014.6.17



<知らずにいたかった>




新進気鋭と言われたライアン・カイザーも既に40過ぎ。
本作はライアン27歳のワンホーン物である。
今時のトランペッターとしては特にテクニックがある方ではない。
事実、リンカーン・センターのステージで、御大ウィントン・マルサリスに「ついてこれる?」という感じで、ナマ暖かく見守られていたとの目撃談もある。
しかし私は彼の音が好きだ。
そして特に本作は録音が良い。
2000年の発売だったから、もう結構前の作品なのだが、今聴いてもハッとするくらい音がいい。

2000年当時、我が家にあったスピーカーはJBL4425だった。
これは鳴らしやすいスピーカーで、素晴らしくリアリティに溢れた音がした。
今にして思えばずっとこれで良かったのだ。
それを販売店の口車に乗せられて、色々なことになっていったという訳だ。
今家にあるスピーカーを4425に換えたとしたら、それはきっとガッカリな音に聞こえるだろう。
でも知らずにおれば、それはそれで幸せな人生なのである。
何事もそうだ。

2000年といえばシドニーでオリンピックがあり、私はサッカーを観にオーストラリアへ行った。
それはひどいものだった。
何がひどいって、人種差別が。
数々のイヤな目にあったが、それはここでは触れないでおく。
中田英寿氏が二度目のオリンピック出場を果たし、グループリーグ突破の原動力となったが、決勝トーナメント1回戦(対アメリカ)のPK戦でまさかの失敗。日本はアメリカに負けた。
信じられないものを見た気がした。
このあたりから、日本代表に対する私の期待がどんどん肥大していった。
それは一言で言えば「悪い白人を懲らしめてくれ」であり、「広島・長崎の恨みを晴らしてくれ」だったろう。

1998年のフランスワールドカップ初出場に続いて、自国開催の2002年大会、2006年のドイツ大会と、もうワールドカップ出場は当たり前の気持ちが醸成されてきた。
そして2010年の南アフリカにおいて二度目のグループリーグ突破を果たしたのち、ワールドカップはベスト8以上を目指すものとなっていた。
どうかしていたのだ。皆がどうかしていた。マスコミに煽られ、現実というものを見なくなっていた。
ドーハの頃のようなウブなファンにはもう戻れないとしても、私はもっと謙虚になろうと思っている。
この程度の国民に、この程度の政治家。
それが事実だとするならば、この程度の民族にこの程度のサッカー代表、それも当然事実である筈だからだ。





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