(14) ヒッコリーハウスのユタ・ヒップ VOL.1 美貌はプライスレス

ユタ
NO.14 2011.11.26





<ヒッコリーハウスのユタ・ヒップ VOL.1 美貌はプライスレス>






ドイツ人美形ピアニスト、ユタ・ヒップによる幻の名盤ということになっている。
美人、美人というがそれほどのものか。
ピアノもいたって普通だ。
評論家レナード・フェザーがわざわざドイツから連れてきて録音させるほどのものにはとても聴こえてこない。
今なら大西順子や山中千尋、三輪洋子といったもっと良い「美人」ピアニストがこの日本にも大勢いる。

時代が違うと言えばそれまでの話になるが、後から考えれば本作がブルーノート栄光の1500番台に存在しなければならない理由もない。
まあ、そうは言っても1500番台も始めの方は、SP音源や10インチの寄せ集めで構成され、内容的にも必ずしも納得のいくものばかりではないのだが。
12インチLPの時代到来により、ブルーノートとしても早期にカタログを充実させる必要があった。
本作もそういったものの一枚なのかもしれない。

「ドイツ人」「女性」「若い」「(比較的)美人」ジャケットの行間にそういったキーワードが隠れている。
当時アメリカのジャズファンは、そんな彼女をどのように聴いたのだろう。
異国の地で心細気な若い女性がいれば、応援したくはなる。
多分それだけだ。

スィングジャーナルの1993年5月臨時増刊号「新・幻の名盤読本」によれば本作の幻度相当高く、それをRVGリマスターで安く入手できるというのは、良い時代に、あるいは味気ない時代になった。
ところで何故本作の幻度が高いのかといえば、それは当時売れなかったからなのである。
どれくらい売れなかったのか。
これは想像になるが、ブルーノートが当時売った総数といえば多分良くて千の単位だ。
つまり、そもそも市場に出回らなかったから、その後何十年と年月を経てのち健在な玉数が絶対的に少なく、今や程度の良いオリジナル盤などには滅多にお目にかかれない事態となっている、という話に過ぎない。
それ故目の玉が飛び出るようなプライスタグが付けられるのであって、必ずしもそれが内容の充実ぶりを保証するものでない事は、多くの高額オリジナル盤と同様である。

その後のユタ、インフレ気味の声援も次第に小さくなり、失意のうちに帰国したようだ。
我が国におけるベッツィ&クリスのようなものかもしれない。











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