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(114) みちのくジャズ喫茶行脚 ③

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NO.114 2013.8.17



<みちのくジャズ喫茶行脚 ③>





照明を絞ったベイシーの店内は薄暗く、入店直後の慣れない目ではスピーカーを探すことすら困難だった。
店のお姉さんがカウンターの中から手で誘導する席に、我々は腰を落ち着けた。
その間菅原さんはこちらに全く関心を示さない。
目を凝らせば前方数メートルの位置に、写真で何度も見たあのスピーカーが鎮座していた。
菅原さんが自作したというウーファーボックスは、思った通り相当でかい。
片チャンネルに2発収まるJBLの15インチ、2220Bが小さく見える。
我が家の箱も15インチのダブルだが、印象としては当方の二倍くらいある。

先客が三人いた。我々を含め五人。
これが2時間余りの滞在中に在席した全てだ。
デューク・エリントン、J.J.ジョンソン、そしてカウント・ベイシーらのレコードが次々にかけられた。
ベイシーでかかる曲は全てアナログレコードである。
それをリンのLP-12、SME3009、シュアーV15-Ⅲのラインナップで演奏している筈だ。
真似をした訳ではないが、我が家のプレーヤーは、カートリッジが異なるだけであとは同じ構成である。
どんな音がするのか、どこが違うのか、興味は尽きない。

これが日本一と言われるジャズ喫茶の音か。
何が違うと言って、まずとにかく音量が違う。
音はデカいが、ノイズが少ないのに驚く。
レコード特有のスクラッチノイズが極めて少ない。
私は自分と同類の匂いを感じた。
やはり菅原さんはオーディオマニアなのだ。
だからレコードの扱いが徹底して丁重なのだろう。
私にはわかる。私もレコードに傷をつけた憶えなどないからだ。
中古で入手した盤だってあるのかもしれない。
その時既に存在した傷やノイズ源があっても、
そこから先自分の手でコンディションを落とす事などあり得ないのだ。
それを「営業」という「より過酷な」環境の中で継続して来られた。
凄まじいオーディオマニア魂を、私はベイシーの音から聞き取った。
だが、私は次第に辛くなってきたのである。
音はいい。多分いい・・・と思う。
しかしながら如何せん、デカ過ぎるのだ。
これ以上聴いていられない程。
誰かがこの事を、加齢のため少し耳が鈍った菅原さんに伝えなければなるまい。
それはお姉さん、あんたの仕事だ。
マスターに媚びて、カウント・ベイシーの演奏に拍手などしている場合ではないのだ。
だが、彼女にそんな心算は一切なさそうだった。

切れの良いところで仕方なく我々は席を立ち、支払いを済ませた。
次のレコードは聴き慣れた「フレディ・ハバード オープン・セサミ」だった。
失敗したのである。
これを聴いてから帰るべきだった・・・





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翌朝、一関から北へ戻る。
奥州水上の郊外型ジャズ喫茶「ハーフ・ノート」へ向かった。
それにしてもカーナビというやつは偉大な発明である。
カーナビなくして今回の旅はまずあり得なかった。


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ハーフ・ノートは郊外と言うより、完全に山の中にあった。
よくこれを決意出来たものである。


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店の隣に連なるのは多分ご自宅であろう。
我々の存在に気付いたご主人が出て来られた。
間もなく店を開けるので少し待ってほしいとの事である。
とりあえず良かった。


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隣は田んぼ。
いたる所に「トトロの森」がある。


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店が開いた。
ログハウス風の吹き抜けの建物である。
間違いなく相当の金がかかっているのが一目でわかる。
スピーカーはJBLパラゴンだ。
まだ新しい。最近復刻されたものだろうか。
かけられる曲は全てがピアノトリオだった。
それがマスターの好みであり、店のポリシーだったとしても私は異議を唱えるつもりなどない。
だが、しばらくすると携帯ラジオらしきモノから高校野球の中継が聞こえだしたのはどうした事だろう。
我々は早々に席を立つしかなかった。











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