(113) みちのくジャズ喫茶行脚 ②

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NO.113 2013.8.16



<みちのくジャズ喫茶行脚 ②>





翌朝の「あまちゃん」を妻が見終わるや、東北自動車道を南下する。
地元ナンバーは外車率が低い。
そして軽自動車率が高い。
理由は様々あろうが、東北は一歩裏道に入り込むと恐ろしく道が狭いのである。
車一台通過出来るか、という道の向こうから対向車が普通にやってくる。
でかい車に乗っていられるものではない。

この日は朝から30度近かった。
走ること約2時間で、岩手県の県庁所在地盛岡に到着する。
盛岡は歴史ある城下町であり、今回一番の都会でもあった。





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この日最初の店「ノンク・トンク」は郊外型ジャズ喫茶だ。
この基本コンセプトに無理がないか気になるところだ。
お客は入っているだろうか・・・


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それを確認することは叶わなかった。
メゲることなく次の店を目指す。
「ダンテ」は盛岡の中心部にあった。
私が車で待つ間に妻が様子を見に行った。
12時開店の情報をゲット。
近くの駐車場に車を入れ、街を探検する。
何か食べよう、ということになった。
それなら「盛岡冷麺」でしょう、と意見一致で店を探す。
だが盛岡冷麺、香川における「さぬきうどん」や札幌における「札幌ラーメン」とは様子が違う。
店が見当たらないのだ。
チラシ配布中の地元民をつかまえて店を教えてもらう。
私の地元の「盛岡冷麺」と同様、本場でも冷麺は焼き肉とセットなのである。
単独の「冷麺屋」は存在しないのだ。

さあ、おなかもいっぱいになったし、「ダンテ」のジャズを聴こう。




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ここの特徴はとにかく店内のとっちらかりようだ。
音は悪くない。
中域の充実した、オーディオ的ではないがジャズらしい音がする。
ジャズらしい音で「ダイナ・ワシントン DAINAH JAMS」など聴かせて頂いた。
それはいいのだが、店内を少し整頓されてはいかがだろう。
スピーカーの周りがワインのダンボールだとか、スズランテープで縛ったレコードプレーヤーだとか本だとかで、もうごちゃごちゃである。


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この店もご夫婦二人でやっておられた。
恐らくは他人の人件費まで稼ぐだけの来客はないものと推量する。


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いよいよ「ベイシー」に向かって東北自動車道を更に南下する。
盛岡から一関まで約一時間の道のりである。
はたしてベイシー、開いているか?
一関ICを降り、何はともあれ現地を確認する。


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あった。
ベイシーは地味な住宅街の中にこつ然と姿を現した。
初めて行った人は大概驚くだろう。
そもそも一関は「市」だが田舎だ。
そしてベイシーはひときわ普通の場所にある。
拍子抜けするくらい普通の場所だ。



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店は開いているのだろうか。
そっと様子をうかがう。
何の音楽も一切漏れては来ない。
もう一歩肉迫する。
ドアのガラス越しに明かりが見えた。
私は車で待つ妻に駆け寄り報告した。
その時彼女の目がこう言って私を責めたのだ。
「何でドアを開けて確認しないの?」
だが私に出来るのはそこまでだった。
それ以上はとても出来ない。


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ホテルにチェックインして徒歩で出直すことになった。
車を置いて来ればビールだって飲めるじゃないか。
ホテルとベイシーは案外近い。
20分はかからないのではなかろうか。
気温は30度以上あるけれど・・・

ベイシーの屋根を写そうとしたのが上の写真だ。
歪んでいるのがわかるだろうか。
地震の影響によるものか、それとも経年劣化だろうか。

ホテルのシャワーで汗を流し、徒歩で再びベイシーへ。
思った以上に遠いような近いような微妙な距離だった。
だが、歩かなければ分からない事もある。
一関の民家は窓ガラスが単板で二重サッシにもなっていない。
冬の寒さはたいしたものではなさそうだ。
途中に市の庁舎があった。
一関は本当に何の変哲もない田舎町だ。
もしもベイシーがなかったら、私は一生ここに来る事はなかっただろう。
殺風景な磐井川に掛かる「いわい橋」を渡れば、ベイシーはすぐそこだ。
本当に開いているのか?お盆だぞ。
中で何か作業してただけじゃないのか?
急に不安になってくる。
角を曲がるとベイシーが見えた。
中から黒っぽい服装の人が出てきた。
(じぇじぇじぇっ!)
それが菅原さんだと、私はすぐにわかった。
菅原さんはくわえ煙草で外の照明を点け、また店の中へ入っていった。
ドアの近くへ行くと、今度は店内からジャズ以外の何物でもない音楽が聞えてきた。
どうやらベイシーはこの日、本当に営業しているらしかった。




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