(125) 冬季鬱を日干しする

NABE2.jpg
NO.125 2014.2.4



<冬季鬱を日干しする>





私の町が雪の下敷きになって久しい。
だが更に先はあり、それも長い。
冬が嫌いである。良いことなどほとんどなく、ほとんどない中の例外と言って良いクリスマスもとうに終わった今、残りの三ヶ月余りをどうして凌ごうか。
間もなく始まるというロシアのオリンピックには一切興味がない。
メダルを何個取ろうが取るまいがそんな事、当方まったく知った事ではない。
強いて言えば年端もいかぬ小娘が、変な勘違いをするような事にならねば良いと、取り越し苦労する位のものだ。
だから私はそんな時、このような音楽などかけて、あれこれ楽しいことでも考えるしかない。
音楽は案外安上がりな気晴らしになるものだ。

10年以上も前の事になるが、
ナベサダが当地の夏季音楽祭に来て屋外ライブを演った。
ステージで跳んだり跳ねたりするのを見ていたら、逆になんだか年寄り臭くてガッカリした。
今ではもう80歳を過ぎている。
さすがにもうあんなことはしないだろう。
人は年相応の振舞いが一番だ。

本作はトータル100万枚以上の大ヒットとなった。
余計なお世話だがナベサダは、リリースしたレコードだけで億単位の金を手にしたのではないか。
今頃はどこか遠く南の楽園で、椰子の木陰のハンモックに揺られ、冷えたシャンパン飲みながら、来し方行く末など思っているのかもしれない。
それは確かに少し羨ましい。
だからこちらも冬の間に精々働いて、夏になったらまたどこかへ行こうじゃないか。
そんなに遠くなくていい。
人は稼ぎ相応の振舞いが一番だ。











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(126) 性格ということ

キャノンボール4
NO.126 2014.2.15



<性格ということ>





素敵なジャケットでしょう。
キャノンボール・アダレィのソフィスティケイティド・スィング。
このレコード(LP)を二枚持っている。
一枚は国内盤、そしてもう一枚はオリジナル盤である。
最初に買った国内盤(何故これを購入したのかもう忘れたが、多分ジャケ買い)のライナーに、この写真の背景と車および女性は合成されたものである由書かれていた。
それだけなら「あそう」で終了であるが、オリジナル盤のジャケ写真なら、女性のヒップに下着のラインがくっきりと・・・私は血眼になって探したのである。
どうだったか?
ついに探し当てた時には、パンツのラインなんかどうでもよくなっていた事を報告いたします。

それはともかく、本作は音が良くない。
オリジナル盤の音がすべて素晴らしいというのは、大変な誤解である。
事実本作も音は良くないのだが、「トリビュート・トゥ・ブラウニー」という名曲が入っていた。
お察しの通り夭逝した天才トランペッター、クリフォード・ブラウンに捧げられたデューク・ピアソンの曲だ。
ブラウニーに捧げられたのは、「アイ・リメンバー・クリフォード」だけではない。
残念ながらお会いしたことはないが、素晴らしく性格の優れた人物であったという。
この人を悪く言った証言を私は知らない。

先日、私の大切な人の父上が天に召された。
この人物がブラウニーのような人だったようだ。
皆が口を極めて故人を称賛するのだ。
声を荒げたことがなかったという。
であるので、この人の娘は全ての男がそういうものであると思い込んでいたらしい。
他でもない、私の妻である。
しかるに私ときたら、まったくの凡夫であるから、たまには(3年に一度くらいは・・・え?うそ・・・もっと?)激昂する時もあり、そんな時の彼女ときたら、何か気の毒なものでも見るように私を凝視するのだ。

いや、ごめん、でもね、
これは頭の出来不出来や容姿の良し悪し、運動能力の差と同様持って生まれたものだ。
本当にすまない。だが、これは事実だ。
私はこのことを理解し、納得するまで50年以上の年月を要した。
良くない遺伝子をお持ちの諸兄がいたら、どうか気を付けて頂きたい。
用心するだけで、大概のことを回避できる筈だ。
念のために言っておくが、私は女性に手をあげたことはないし、これからもけしてない。
それだけは論外だからだ。











(127) チェック盤

bill.jpg
NO.127 2014.2.19



<チェック盤>





ビル・チャーラップのピアノ、本当に良く歌う。
バカテクとかいうのではない。
しっとりと歌うのである。
ピアノの一音一音が情緒に訴えてくる、ある日のもう忘れかけた情景を映し出して見せる、そして女心の隙間にそっと忍び込む、彼はそんなピアニストだ。
クリスクロスや日本のビーナスレコードからCDを出していたが、やがてブルーノートが目をつけ、持っていった。
本作を国内盤で持っているが、輸入盤とはジャケ写真が異なるようだ。
ジャズの世界では今なお、こんな事が時々起きる。

ビルの母親は歌手のサンディ・スチュワートである。
親子でCDも出している。
母親の歌伴を息子が、それも親の七光りというのでなく立派に務めた。
孝行息子だ。
そして父親は作曲家のムース・チャーラップである。
母親が歌手で父親が作曲家なら、その息子が必ず売れっ子ピアニストになるとは限らないだろうが、これは血統ということだ。
見ての通りルックスも良い。
なんだかなあ、と思わずぼやきたくなるのは私だけかな。

ところで多分、私はオーディオマニアの部類だと思う。
オーディオを上手く鳴らすのが簡単ではない事も知っている。
だから分かるのだが、オーディオマニアはいつも不安だ。
自分の装置から出るこの音が、本当はダメダメなんじゃなかろうかと。
そこでこの世界には「音質チェック盤」なるモノが存在する。
何もジャケットに大書してある訳ではない。
仲間内でそう言われたり、あるいはオーディオショップで試聴用に用意されていたりするものだ。
これが不思議なことに、押しなべて優秀録音盤なのである。
古くはオスカー・ピーターソン「We Get Requests」やボブ・ジェームス「Foxie」、最近ではブロイアン・ブロンバーグ「Wood」笹路正徳「Birdland」といった比較的入手しやすい諸作だ。
これらは確かに音がいい。
しかしながらだ、録音が良い盤からいい音が出るのは当たり前なのではないか。
オーディオショップが試聴用にそれらを使うのは分かる。
客が驚いてスピーカーを購入するからだ。
だが、オーディオマニアが自分の装置のチェックに、優秀録音盤を用いることに意味はあるのか。
いささかの意味があるとすれば、それは慰安であろうか。
ちっともいい音がしない自分の装置から、たまには良い音を出して少し安心する、というか・・・

そこで本作、これは正真正銘のチェック盤だ。
私は長い間、本作一曲目の「In The Still Of The Night」のベース音階をきちっと再生出来ずにきた。
それをなんとかしようと、涙ぐましい努力を続けた結果、近年なんとかウッドベースの音階を判別出来るようになってきた。

これが出来たなら、あなたの装置の低音再生もある程度大丈夫です。
あくまでも、「ある程度」ですけど。











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Author:バロン ド バップ
音楽がある限り

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